お年玉のマナーと相場
子供の頃には指折り数えて待っていたお正月。
何といってもお楽しみは「お年玉」をもらえることだったという方は多いでしょう。どんなに時代が変わっても子供にとって「お年玉」をもらえるのは嬉しいこと。
さて、最近のお年玉に関するマナーや相場はどうなっているのでしょう。
お年玉の由来
お年玉は、新年を祝うために贈られる金品のこと。
しかし、もともとはお正月に床の間や神棚にお供えしたお餅を、家長が家族に分け与えたことが始まりです。新年の年神様の魂が宿ったお餅を家族に授けながら、家族が今年も幸せな日々を迎えられますようにという祈りをこめる。そのような儀式を由来としているのです。
このような厳かな儀式から生まれたものが「お年玉」ですので、たとえ相手が小さな子供でも「お年玉」には真心を込め、マナーを意識してあげたいものです。
お年玉のマナー
新札を用意しましょう
新しい年を迎えた気持ちの良さ。それを象徴するかのような新札をいただけたら、子供でも気持ちが引き締まります。
わざわざ新札を用意するのは手間がかかるもの。だからこそ、「君のことを思って事前に用意しておいたのだよ」という気持ちが伝わります。
新札がどうしても渡せない場合には、「新札の持ち合わせがなくてごめんね」の言葉を添えましょう。
ポチ袋を用意する
ポチ袋の表面には、できれば子供の名前を書いてあげましょう。裏面にはあなたのお名前を。できれば、筆ペンなどを使って重みづけを演出したいものですね。
さらに、ポチ袋には一言メッセージを添えられるといいですね。「~ちゃんにとって素敵な一年になりますように」など。子供の親御さんは、誰からいくらいただいたのかを管理しているものであり、ポチ袋はその管理に役立ちます。
もし、ポチ袋がない場合、手持ちの紙や封筒などに包んで渡しましょう。極力現金渡しは避けたいものです。
渡す相手の立場を考えて
お年玉は由来の通り、目上の者が目下の者に渡すという意味合いを持っています。ですから、恩師や会社の上司のお子様に「お年玉」をあげるのは失礼と考えた方が良いでしょう。
また、親に対して「お年玉」を渡すのも礼儀知らずの振る舞いです。このように目上の方へお気持ちを包むときには「お年賀」としてお届けすれば良いでしょう。
お年玉の相場
以下は一般的と言われている相場ですが、参考になさってください。
・未就学児: 1,000円以下
(むしろ、お菓子やおもちゃもの方が喜ぶかもしれません)
・小学生(低学年):1,000円~3,000円程度
・小学生(中学年以上): 3,000円~5,000円程度
・中高生: 5,000円~10,000円程度
※子供や親御さんとの間柄、地域等によって程度は異なります
甥っ子、姪っ子へあげるお年玉の金額規模については、その親である兄弟姉妹と事前に金額レベルを相談しておくと良いでしょう。自分の与えた甥っ子や姪っ子への金額が、自分の子供が伯父伯母(または叔父叔母)からもらった金額より多すぎたり少なすぎると、ちょっと心が穏やかでなくなることもあるからです。
お年玉がお餅からお金になったのは昭和30年ごろからと言われています。高度経済成長期の影響があったのでしょう。
今後は時代の進化に合わせて、「電子マネー」や「仮想通貨」でお年玉がやり取りされる社会も到来するかもしれませんね。