法要・法事のお供え物はどうする?マナーや金額相場、オススメの品物をご紹介
お盆やお彼岸に執り行われる法要に不可欠なお供え物。どんな物を用意するべきなのか?贈るタイミングはいつなのか?とわからないことが多くて困るという方もいるでしょう。お供え物は亡くなった故人を供養するために不可欠な物です。お供えのマナーを守り、故人やご遺族に喜んでもらえる物をお供えしましょう。今回は、そんなお供え物の種類やマナーなどをご紹介いたします。ぜひお供え物を贈る際の参考にしてください。
お供え物を贈るタイミングは?
初盆の法要などでお供え物をご遺族に贈る際は、タイミングに注意が必要です。法要の準備は、ご遺族にとってかなりの負担です。特に初盆の準備は住職への連絡はもちろん、会食やお供え物の準備、招待客への出席連絡、返礼品の準備などやるべき準備は多岐にわたります。なるべく手間にならないように、早めに届くように手配することが大切なのです。
お盆は全国的に8月13日からですが、地域によっては7月13日からお盆を執り行うところがあります。住んでいる地域によって日付は異なりますが、お盆の初日までにはお供え物をお供えしなければならないため、少なくとも1週間前には届くように贈りましょう。直前に贈るのは、間違いなく迷惑になるため避けるべきです。
なるべくご遺族の負担にならないように配慮することで喜んでもらえます。お供え物は、線香やロウソクなどの仏事に不可欠な物はもちろん、亡くなった故人が好きだった食べ物や飲み物などが適しています。食べ物は日持ちする物や配りやすい物だと、ご遺族が消費しやすいのでおすすめです。
そもそも法要や法事の意味は?
法要と似た言葉に「法事」がありますが、法要との違いはあるのでしょうか?
まず法事とは仏教における数多くの行事全般を指します。一方で法要は、お寺や自宅で住職にお経を読んでもらい手を合わせることで、ご先祖様の魂を供養することを指します。
法事と法要の意味が混同されることが多々ありますが、法要は法事の一つなのです。また法事は、法要と法要後の会食も含めた一連の行事を指す言葉としても使われます。
それぞれの時期はいつ?回数は?
法要には「年忌法要」「お盆法要」「彼岸法要」があり、それぞれ執り行う時期や回数が異なります。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
年忌法要
年忌法要とは、節目となる年にご先祖様を供養するために執り行う法要のことです。故人が亡くなられた次の年の命日である祥月命日には、最初の年忌法要を執り行います。基本的に年忌法要は、以下のようにタイミングが決められています。
- ・一周忌
- ・三周忌
- ・七周忌
- ・十三回忌
- ・十七回忌
- ・二十三回忌
- ・二十七回忌
- ・三十三回忌
- ・三十七回忌
- ・四十三回忌
- ・五十回忌
年忌法要は命日に執り行うことが理想ですが、親族が集まりやすい週末などでも大丈夫です。故人は三十三回忌以降に極楽浄土に行くとされているため、そこで法要を終えることが多いようです。
お盆法要
お盆法要は、お盆の時期に執り行う法要です。家族が亡くなり四十九日が明けて迎える初めてのお盆は初盆と言い、初盆法要を執り行います。初盆以降の法要は行わなくても問題ありません。
お盆法要では家に住職を招きお経を唱えてもらい、その後会食をします。全国的なお盆は8月の旧盆ですが、地域によって7月盆や旧暦を重視したお盆でお盆法要を執り行うことがあります。地域や家の風習、信仰している宗派によっても異なるので、不安であれば詳しい人に聞くと良いでしょう。
彼岸法要
彼岸法要とは、春と秋にあるお彼岸の時期にご先祖様の魂を供養するために行う法要のことです。執り行う日程はお彼岸の中日である春分の日または秋分の日が理想ですが、特に決まりはありません。
お供えの「五供」とは
仏壇へのお供え物は、「五供(ごくう)」をそろえるのが基本です。五供とは、「香」「花」「灯明」「浄水」「飲食」を指します。お供え物として欠かせない五供にはそれぞれどういう意味があるのでしょうか?
香
香とは線香のことです。線香の煙はご先祖様がいる極楽浄土とこの世を繋ぐ役割や手を合わせる人の心を清めてくれるとされています。また仏様は線香の煙を食べるため、線香を焚くことが供養になるともされています。
花
仏様は花の香りを好むとされています。お供えする花は仏花はもちろん、故人が好きだった花もおすすめです。ただ線香の香りが消えてしまうほど香りが強い品種や赤い花、棘や毒を持つ花は避けましょう。
下記のリンクでは供花について詳しくご紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
灯明
灯明は、ロウソクのことです。ロウソクは故人が迷わないようにという道標としての意味や場を清めるとされています。またロウソクの光で心の闇を照らし仏様の知恵と慈悲を讃えるという意味もあります。
浄水
浄水とは、新鮮な水やお茶のことです。仏様の喉を潤すという意味や清らかな浄土といった意味があるため、仏壇には常に水をお供えしなければなりません。毎朝綺麗な茶器に新鮮なお茶や水を注ぎ、お供えしましょう。
飲食
飲食は「おんじき」と読み、炊き立てのご飯やお菓子、果物などが該当します。ご飯は生きている私たちに必要不可欠なものであるため、仏様にお供えすることでご先祖様と繋がることができるとされているのです。
お供え物の金額相場
年忌法要やお盆法要などに用意するお供え物や香典の相場は、故人との関係によって異なります。一般的な相場は、親しい人であれば5,000~10,000円、一般的な関係だと3,000〜5,000円とされています。
ただこの金額はあくまで目安なので、故人との関係や地域の風習、その家の慣例によって異なる場合があります。相場がわからない場合は、詳しい人にそれとなく聞いてみると良いでしょう。
弔辞で渡すのしや水引のマナー
弔辞を渡す際、のし紙をつけるのがマナーです。表書きは「御供物」や「御供」「御香料」が一般的です。弔辞用の掛け紙にはあらかじめ水引が印刷されています。結びは「結び切り」にし、色は黒白や双銀、白黄から選びましょう。
地域によって使う水引の色が違うので、確認が必要です。結び切りは簡単には解けないため、悲しい出来事が繰り返さないようにという意味があります。祝い事に使われるのしはつけまけん。
お供えにおすすめのものは?
お供え物は故人が生前好きだった物を選ぶと喜んでもらえるでしょう。その際ご家族にも配慮した物を選ぶことがおすすめです。
おすすめの品物
仏壇にお供えするお供え物は、消費しやすく日持ちの良い物を選びましょう。お供え物をたくさんいただくご家族は、消費するのが負担になりやすくなります。では、お供え物に適したおすすめの品物とはどんな物でしょうか?
線香
仏事には欠かせない線香は、贈り物としてもおすすめです。贈答用の線香は香り付きの物や煙が少ないものなど種類が豊富で、紙を巻いて綺麗にまとめられた物や桐箱に入っている物も選ぶことができます。
ロウソク
線香の火を灯す際はロウソクの火を使うため、仏事には必ずロウソクが必要です。線香ほど種類は豊富ではありませんが、普段あまり使わない和柄や花のデザインが素敵なロウソクなどが贈答用として人気があります。
果物
常温でお供えしても痛みにくい果物もお供え物としておすすめです。故人が生前好きだった果物はもちろん、旬の瑞々しい果物をお供えすることでご家族にも喜んでもらえるでしょう。缶詰の果物も人気があります。
お菓子
お菓子をお供え物とする場合は、果物同様痛みにくい物を選びましょう。洋菓子・和菓子といった種類は問いません。クッキーやマドレーヌなどの焼き菓子やどら焼き、水ようかんなどは、お供えした後にご家族が配りやすいためおすすめです。
花
仏壇にお供えする花は、白を基調とした物が選ばれます。花束はもちろん、世話の手間が少ないアレンジメントも好まれます。また長く美しい花を楽しめるプリザーブドフラワーもご家族に喜んでもらえるでしょう。
飲み物
故人が好きだった飲み物もお供え物として適しています。ジュースやビールをお供え物として贈る場合は、少し良いジュースの詰め合わせを贈ると喜んでもらえるでしょう。お子さんがいるご家庭なら消費もしやすいです。
お供え物で避けるべきタブーは?
お供え物をする際、避けるべきタブーの物があります。魚や肉などは殺生を連想させてしまうため、飲食としてお供えしないようにします。
傷みやすい物や賞味期限が短い物もお供えは避けましょう。また、辛味が強く香りが強い五辛もお供え物に適さないとされています。香りが強い品種や棘や毒を持つ花、血を連想させる赤い花も避けましょう。
お供え物でおすすめの花は?
仏壇にお供えする花は、故人が好きだった花や仏事に適した花を選びましょう。ではおすすめの花にはどのような種類があるのでしょうか?
菊
仏花として代表的な菊は、花のお供え物として多くの花束やアレンジメントにも使われます。花色は、白や黄色の菊の花を選びましょう。菊の花言葉は「高尚」「高潔」などです。仏事の定番とも言える菊は、亡くなった方を偲ぶ花としてふさわしいと言えます。 国花としても有名な菊は、萎れる際に花弁が落ちにくいため仏壇まわりを汚しにくいという特徴があります。古くから邪気を祓う花とされ、花持ちも良く枯れにくいとされる花もあります。
ユリ
清廉な魅力を持つユリも法要などで仏壇にお供えされる花です。ユリには定番の白以外に、ピンクや黄色といった花色もあります。お盆にお供えする花は白を基調にするというマナーにも合うため、花束やアレンジメント、プリザーブドフラワーなどさまざまなスタイルに使われます。
ユリの花言葉は「純粋」「無垢」などです。花粉は花弁や服につくと汚れて落ちにくいため、できればお供え前に取り除いておきましょう。
胡蝶蘭
法要や法事のお供えする花には、胡蝶蘭もおすすめです。鉢植えやアレンジメントなどに使われる胡蝶蘭は、気品ある姿が人気の花です。お祝い事に贈られるイメージが胡蝶蘭ですが、「蘭」と名前にありますが、名前に反して香りがほとんどありません。
胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」。まるで蝶が飛んでいるかのような花が魅力です。海外では古くから蝶は死者の魂とされているため、法要や法事にもぴったりな花と言えるでしょう。
ミソハギ
「盆花」「精霊花」と呼ばれるミソハギは、お盆に欠かせない花として知られています。旧盆の時期である8月頃が開花時期であるミソハギを精霊棚にお供えする家も多いでしょう。
ミソハギの花言葉は「愛の悲しみ」「慈悲」などです。ミソハギは「禊萩」と書き、水を含ませてお供え物などにかけることで魔を祓うことができるとされています。お盆には精霊棚にミソハギをお供えして、故人との思い出を思い出してみるのも良いでしょう。
バラ
「花の女王」とも呼ばれるバラは、豪華で気品あふれる姿が人気の花です。あまり仏壇に供えられるイメージはありませんが、「生前故人が好きだったから」という理由でお供えされることが少なくありません。
バラ全体の花言葉は「愛」「美」。美しいバラですが、赤は殺生を連想させるため白いバラを選ぶのが良いでしょう。美しい白いバラの花言葉は、「深い敬愛」などです。バラには棘があるため、事前に棘を取り除いておきましょう。
カーネーション
母の日に贈られるイメージが強いカーネーションは、お供えされる花としても人気があります。もともと赤いカーネーションは生きているお母さんに、白いカーネーションは亡くなったお母さんに贈られるため、愛する人に捧げる花としてふさわしいと言えます。
カーネーション全体の花言葉は「深い愛」。白いカーネーションの花言葉は「尊敬」や「私の愛は生きています」などです。フリルのように柔らかい雰囲気と愛らしい花姿が魅力です。
トルコキキョウ
ふんわりとした花が魅力のトルコキキョウは、仏壇にお供えする花としても高い人気があります。白やピンク、紫などから花色が選べるトルコキキョウは、その華やかさから花束やアレンジメントを明るい雰囲気にしてくれる花です。
トルコキキョウ全体の花言葉は「思いやり」。どんな花と組み合わせても相性が良く、デザインによって全く違う雰囲気が楽しめます。花持ちも良く、亡くなられた女性に捧げる花としても好まれます。
リンドウ
秋を代表する花であるリンドウは、お盆の季節や秋のお彼岸にお供えされることが多い花です。上品な色と上向きに花を咲かせる姿が美しく、秋らしさを感じることができるでしょう。代表的な深い青や紫、白、ピンクなどの花色が豊かなのも魅力です。
日本で古くから愛されているリンドウの花言葉は、「誠実」「悲しみに寄り添う」などです。故人が亡くなられて日が浅く、悲しみを乗り越えようとする気持ちを表すのにぴったりと言える花です。
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亡くなった故人に瑞々しい花をお供えし手を合わせることで、供養の気持ちを込めることができます。お供えする花は花束はもちろん、近年ではアレンジメントやプリザーブドフラワーなどのスタイルが人気です。
アレンジメントは届いたらすぐに飾ることができるため、ご家族の手間がかかりません。また長期間楽しめるプリザーブドフラワーなら、長く美しい花を楽しんでもらえます。喜んでもらえる花を贈るのなら、スタイルやデザインも豊富なイイハナ・ドットコムがおすすめです。
最後に
仏壇へのお供え物は、「五供」が基本です。線香やロウソク、花などをお供えし手を合わせることで、亡くなられた方の魂を供養することに繋がります。清らかな気持ちで手を合わせることで、ご先祖様にも喜んでもらえるでしょう。
生前好きだった花やお菓子をお供えするのもおすすめです。お供え物を贈る際は、ご遺族が消費しやすいように配慮した物を贈りましょう。今年の法要は特別なお供え物をして故人を偲んではいかがでしょうか?