お歳暮ののしの書き方
お歳暮はお世話になった方へ、「今年もお世話になりました」というお礼とご挨拶の気持ちとして贈るものです。
その際にかける「のし」にもマナーがあるので、しっかり予習しておいてください。
お歳暮の前提は「毎年贈るもの」
意外と知られていないことかもしれませんが、お歳暮は毎年贈るものであり、一度限りのお歳暮は却って失礼にあたります。
もしも今年だけのお歳暮を贈りたい、という場合はこれからご紹介するのしではなく「御礼」という表書きにすれば問題ありません。
のしとは
のし(熨斗)は、本来アワビを薄く長くそいで干物にし、それをのした(伸ばした)ものをさします。伸ばすことが永続性を意味するため、末永い幸せを祈るという祝意を表現することにつながりました。
現在では、水引とのしをすでに印刷した状態の「のし紙」がお歳暮を贈るシーンで活用されています。
そして、さらに簡略化されたものとして、「短冊のし」があります。エコの観点から見ればこの短冊のしも立派なペーパーレス化の取り組みですが、お歳暮を差し上げる相手との関係によっては失礼にあたることも。
会社の上司や目上の方へのお歳暮には、のし紙を利用する方が無難といえるでしょう。
遅れたら「お年賀」、「寒中お見舞い」と書く
お歳暮は、関東と関西で若干時期のズレがあるものの、概ね12月上旬から年末までに贈るギフトです。そのため、新年に「お歳暮」というのしでギフトを贈るのはふさわしくありません。
松の内の間は「お年賀」、それ以降の場合は「寒中お見舞い」と表書きの文字を変える必要があります。
宛名はどう書けばいい?のしの書き方
お歳暮ののしの書き方として多くの方が疑問をもたれるのが、名前の書き方でしょう。
一般的に、会社の上司、恩師といった目上の方に贈る時には姓名つまりフルネームを書くのがよいとされています。
親戚や家族ぐるみでの付き合いの方に贈る場合は、姓のみ、または相手の世帯主の方の姓名を書きます。
なお、複数人の連名でお歳暮を贈る場合には、人数によって差出人の書き方が変わります。連名の人数が3人以内の場合には、代表者の名前を表書きの真下に書き、立場の順に左に並べて記載します。
4名以上の連名でお歳暮を贈る場合には、代表者の氏名だけを記載し、「他一同」と記載するとスマートです。この時、表書きに書いていない差出人の氏名を書いた別紙を添えるようにしてください。
内のしにするか、外のしにするか
のしでもうひとつ迷うのが、品物と包装紙の間にかける「内のし」にするか、包装紙の上からかける「外のし」にするかです。
どちらも使い分けのマナーなどはありませんが、配送で贈る場合はのしが傷つかないよう「内のし」に、直接訪問する際は「外のし」にするのが慣例となっています。
お歳暮を贈るのに最も大切なのは相手への感謝の気持ちなので、このあたりは臨機応変に使い分けるとよいのではないでしょうか。