思い出に残る誕生日に、誕生日パーティー

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あなたは、思い出に残っている誕生日パーティーがありますか?
ここでは、旅行中に出会った誕生日のサプライズパーティーの思い出をご紹介します。

美術館のような街、ナンシー

美術館のような街、ナンシー

ヨーロッパにはたびたび旅行しますが、今回、ヨーロッパを巡って感動した街がフランスのナンシーという街でした。
パリから東へ電車で1時間30分のこの街は、「街全体が美術館」、「芸術の街」とも言われています。
19世紀末~20世紀初め、ヨーロッパの芸術家達が、アール・ヌーヴォー(新しい芸術)という美しいデザイン様式を生み出しました。花や草などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる装飾が特徴です。
その影響は、絵画、工芸から建築、家具にまで渡っています。

実はこのナンシー、多くのアール・ヌーヴォーの巨匠を輩出しているのです。ゆえに、街の至る所にアール・ヌーボーを感じさせる歴史的建造物や装飾工芸にあふれています。
優美な曲線を描く装飾の建物を見上げると、工業化の波にアンチテーゼを抱いた芸術家たちの熱い想いを感じ取ることができました。

レストランでのサプライズ

この街の有名レストランに足を運びました。1911年創業の老舗、「ブラッスリー・エクシオール」。お店に入るなり、ゴージャス感に包まれました。ステンドグラスから調度品まで全てアール・ヌーヴォーの巨匠によるインテリアで飾られていたのです。
お店はさすがに超満員でしたが、10分ほど待っていると運よくテーブルに空きができ、食事にありつくことができました。
すると突然、店内の明かりが一瞬にして消えました。私は一瞬、テロでも起きたのかと慌てました。間もなく、映画俳優のようなかっこいいウエイターが現れました。うやうやしくバースデーケーキを運んでくるのです。ケーキに刺さった煌びやかな花火が、その姿を浮かび上がらせています。

ケーキは隣のテーブルに到着。どうやら主役は5~6歳ぐらいの白人の女の子。
「えっ、もしかして私に?」
あたりをきょろきょろしながらも喜んでいる様子。
すると、どこからともなく周りのお客様たちが大声でバースデーソングを歌いだしたのです。
フランス語の合唱が華麗で感動的でした。歌が終わり、拍手がやむとすぐにそれぞれの客は、それぞれのテーブルで自分たちの世界に戻りました。

私は引き続き隣のテーブルを観察していました。
女の子はケーキに刺さったろうそくの火を一息で消せない様子。少女の頭から垂れた金色の髪の毛が、ろうそくの炎に触れないように、パパが少女の後ろから髪の毛をかきあげます。
ようやく少女が全ての炎を消した時、そのテーブルにいた家族たちは手をたたいて喜んでいました。
満面の笑みの少女。こういうファミリーパーティーに立ち会えた私もまた幸せな気分でいっぱいでした。

教訓

このお店はなんと20分おきぐらいに明かりが消えてバースデーソングが歌われていました。
二度目までは新鮮味がありましたが、さすがに三度目は興ざめも。
超有名店で誕生日パーティーをやると、こういう結果にもなりかねないのですね(笑)

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